僕の小説を読んで - 小説 - 淫なる調べ

淫なる調べ

 俺は、カズヒロ。こう見えて超能力者だ。
 どんな超能力かって?
 それは・・・。
 おっと、こちらに女が歩いてくる。
 早速見せてやろう。俺の超能力を。
「ハ~~~~~ッ!」
 両手に力を込める。すると女が突然はね上がって叫んだ。
「イク~~~~ッ!」
 ドバ~~~~~ッ!
 股間から大量の愛液が放出される。そのまま女は気を失った。
 どうだ?
 これが、おれの超能力さ。
 さあて、今日はどんなエッチなことをしてやろうか・・・。
 そう俺が考えていると突然後ろから声をかけられた。
「カズヒロ君。何してるの?」
 この声は・・・。
 俺は振り返った。そこには・・・。
「よう。マサコ」
 俺の幼なじみであるマサコがそびえ立っていた。
「ようじゃないよ。今日はみんなで映画に行く日でしょ?こんなところで何をしてるの」
 そうだった。前々から俺らのグループ内で映画に遊びにいくと約束していたのだ。
「そうだったな。じゃあ今から出発だ」
 俺はそういって歩き出した。
 口元がだらしなく緩むのを抑えながら・・・・・・・・・・。
 
 マサコと映画館にやってきた。そこには他のグループメンバーが一緒になって待っていた。
「お、カズヒロ! どこ行ってたんだよ」
 ノリオが俺をにらんで言う。
「悪い悪い、すっかり忘れてたよ」
「ほんと、カズヒロくんは忘れっぽいよね」
 そう、俺は簡単に忘れてしまう。忘れてはいけない大事なことも・・・。
 おっと、どうでもいい話か。
 その後、3人で適当に雑談しながらチケットを買い、映画館に入場した。
 今日観る映画は「やっつけインターハイ」。どうやら巷では有名らしいが、俺はちっとも知らなかった。
 まあ、何を観るかなんてどうでもいい話だ。
 俺は、これからの計画を頭に浮かべていた。
 すなわち、マサコを、超能力で犯す。その後、ノリオを抹殺する。
 完璧な計画だ。
 すぐにでも実行したいところだが、ひとまず映画を見終わってからにしよう。
 
 しばらくして映画が始まった。
(くだらない・・・)
 10分もしないうちに俺は早くも退屈していた。
 隣のマサコに目をやると、目をきらきらさせながらスクリーンに集中している。
 物好きもいるものだ。ノリオはすでに眠っていた。
(もう、さっさと計画を実行してしまおう)
 俺はこっそりと両手にエナジーを集中する。
(さあ、ショーの始まりだ!)

   *

 私、マサコ。今日はカズヒロ君、そしてノリオ君と一緒に、映画を見に来ているの。
 この3人は子供の頃からずっと仲良し。こうして遊びに来るのはいつものことよ。
(この映画、おもしろ~い!)
 この映画を今日見に来ることは、実は私の発案だったの。
 大好きな俳優さんが出ていて、とても観たかったのよ!
 期待していた以上に内容もおもしろくて、ほんと今日は来てよかったわ!
(・・・あれ?)
 ふと違和感を感じたの。
 それが何だかわからないまま、気にしないで映画に集中しようと思ったその瞬間・・・。
(股間がアツい!)
 股間に謎のエナジーが充満する感覚におそわれる。
 それはあっという間に私の股間を満たし、そして・・・爆発したの!
「イク~~~~ッ!」
 ドバ~~~~~~ッ!
 思わず叫んでしまうほどの快感・・・・そして放出される愛液・・・・。
 これは・・・いったいどういうことなの!?
 
   *
 
 俺は隣でぐったりとしているマサコを見て、もはや頬の緩みを抑えられなくなっていた。
(ついに、やったぞ!)
 マサコを、犯した。
 子供の頃から仲良しだったマサコを、この超能力で・・・犯した。
(ははは・・・はははは・・・!)
 心の底から笑みが零れる。
 しかし・・・。
(くそ・・・うれしいはずなのに・・・嬉しいはずなのに!)
 頬を伝う一筋の涙。
 俺の胸を満たしていたのは歓喜ではなく・・・・・・・・悲しみであった。
 本当はずっと友達でいたかった。
 どうして・・・こんなことになってしまったんだろう・・・。
 俺は悲しみを振り払うように立ち上がると、未だに眠り続けているノリオのもとへ歩み寄った。
 ノリオ。
 マサコはノリオが好きだった。
 そして俺はマサコが・・・。
(ノリオ・・・お前さえいなければ!)
 俺はノリオの首に手をかけた。
 この手にちょっと力を入れればノリオは死ぬ。
 だというのに・・・。
(俺は・・・躊躇しているのか!?)
 すでにマサコを犯してしまった後だ。今更どうなったっていいはずだ。
 クソ・・・ッ! 動け! 動け!!
「カズヒロ君・・・」
「!?」
 背後から聞こえてきた声に俺は声を失う。
 マサコ・・・。
「もういいんだよ・・・カズヒロ君。私は全部わかってる」
 マサコ・・・マサコ!!
 滝のように流れる涙を頬に感じながら、俺はマサコの名を呼び続けた。
 そしていつの間にか俺のイチモツはこれ以上ないほど勃起していた。
 そうか。
 今わかった。
 超能力なんか・・・いらないんだ!
 そう祈った瞬間、俺の超能力は跡形もなく消えてしまったのが感じられた。
 俺はこの手で・・・超能力なんかに頼らず、マサコを犯す!
「マサコ~~~~~ッ!」
 俺はマサコの股間に俺のモノを勢いよくたたき込んだ!
「アンッ!アンッ!アンッ!」
 そのまま激しく前後に運動させる。
「マサコ! 出すぞ! 出すぞ~~~~~~~~~~!」
「イク~~~~~~~ッ!」
 ドバ~~~~~~~~~~~~~~~ッ!
 ふぅ・・・気持ちいいぜ。
「マサコ・・・俺は一生、マサコと共に生きていく」
「私もよ・・・カズヒロ君」
 俺たちは、一つになったのだ。

~完~